ズー

さようなら、
もうぼくら隠れることしかできない
指先が糸のするどさをおぼえてしまって
雲のやわさになじめないから

ぼくらだけがひっそりとしている
まるで神さまの寝所じゃないか
あとすこしだけいっしょに眠りたい

ずっと遮断されている
楽園をみつけたせいか
まぼろしが微笑まないんだ
それは嘘じゃなかったんだ

はだ寒い夜と朝のあいだがくりかえす
ひとりじゃないのに
ひとりで泣いたみたいだった
魔法がやっとほんとうになって
きみを奪ってく
助走はもうおわった

さようなら、
きっと出口はない

だからさようなら、
いつかさようなら、

20060930