せかいの温度

ひびわれてゆく
空気の重さをきみは知っていた
痛みにしか思えないような快楽でも
出口はいずこかにあった

光らない未来がきれいなのは
そこに明日があると予知できるからで
だれも幻を疑わない現実を認めるのは
存外おそろしい作業だった

やさしくなる
同じ手触りで違う温度
かなしくなる
なにも愛せない仕組みの世界

20070413