砂色

指のすきまから逃げてゆく
砂色の昨日を追いかけていた
胸に残るぬくもりは星の涙
春に香るかなしみに似ている
遠くを見つめるその瞳で
雨を見つめていて
虹を愛して

空のある夜に泣きたいと願った
きっとすべて消え去るはず
夢を見る夜に死にたいと望んだ
ずっと絶えず歌える場所で
愛して ゆるして

犬の叫びより浅はかな
砂色の昨日が切り裂いてゆく
腕に残る爪痕は月の軌跡
冬に眠るやさしさに似ている
わたしを見つめるその瞳で
雲を見つめていて
雪を愛して

時を奪うようにとびたいと願った
きっとすべて掴めるはず
声が届くように駆けたいと望んだ
ずっと絶えず愛せる場所で

愛して ゆるして 歌って 愛して

20080424